よくあるトラブル
遺言がない
相続に関するトラブルで多いのが「遺言がない」というケースです。遺言書がない場合は民法である割合に基づいて法定相続人に相続分が定められています。
しかし、遺産分割協議により相続人全員の同意があれば分割割合については自由に決めることができます。 この協議はお金が関わってくるため、紛糾し、トラブルになる場合があります。
遺言書がない場合の基本的な流れは下記の通りとなります。
1) 被相続人の死亡(遺言なし)
2) マイナスの財産がある場合は相続放棄または限定承認を選択(3ヶ月以内)
3) 法定相続人全員で遺産分割について、分割協議書を作成し、捺印
4) 分割協議が不成立の場合は家庭裁判所にて調停、審判を受ける。
5) 遺産分割を実行
6) 納税(10ヶ月以内)
遺産分割協議に応じてくれない人がいる
遺産分割は「全員一致」で合意する必要があります。一部の人が反対している場合や協議に応じてくれない人がいる場合には、遺産分割協議がまとまりません。この場合、家庭裁判所の手続をとることができます。これには調停と審判の2通りの方法がありますが、実務上は先に調停手続をすすめ、調停が成立しなかった場合にはじめて審判手続きに移行するのが通常です。
相続税の申告をしていなかった
相続税の申告は、納税者が自主的に申告するものです。相続税を申告しないといけないのに相続税を申告しなかった場合、無申告とみなされて本来の相続税額の他に、無申告加算税や延滞税が課税されてしまいます。もちろん、相続税の計算をして相続税がかからない場合は、原則申告をする必要はありませんが、配偶者の税額軽減を受ける場合は、申告しなければなりません。相続税の申告は、通常、被相続人(亡くなった人)が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の亡くなった当時の住所地を所轄する税務署に対して行わなければなりません。
遺産分割協議後に遺言書がみつかった
遺言は、法定相続分に優先しますので、協議した内容と異なる遺言書が出てきた場合は分割協議が無効になる建前です。 しかし一般的に、相続人や受遺者が遺言書の内容を確認の上、やり直しをしないことに同意すれば、あらためて分割協議をやり直さなくていい場合もあります。